リスキリングには補助金や助成金が多数ある

リスキリングはすでに大企業を中心に実施が進んでいますが、さらに拡充するために政府も補助金や助成金の制度を多数用意しています。今回は政府が用意している補助金制度を中心に期間限定のモノを含めてざっくりと解説しましょう。さらに都道府県など地方公共団体でもリスキリングに関する補助金制度が用意されています。

政府が行っている「人材開発支援助成金」

政府が企業向けに行っている「人材開発支援助成金」には4つのコースがあり、それぞれ条件が満たせば助成金が交付されます。

人材育成支援コース

人材育成支援コースは以下に掲げる人材育成を行う際に、条件が満たした場合に経費や賃金の一部が助成される制度です。

  • 人材育成訓練(10時間以上)
  • 認定実習併用職業訓練(厚労大臣認定)
  • 有期実習型訓練(有期契約労働者を正規雇用労働者に転換するための訓練)

教育訓練休暇等付与コース

有給教育訓練を導入し、休暇を取りつつ訓練を受けた場合に条件が整えば交付される助成金です。

  • 教育訓練休暇制度(3年間に5日以上の取得が可能な有給教育訓練休暇を導入した企業)
  • 長期教育訓練休暇制度(30日以上の長期教育訓練休暇の取得が可能な制度を導入した事業主に支給)
  • 教育訓練短時間勤務等制度(30回以上の所定労働時間の短縮および所定外労働勤務の免除が可能な制度を導入した場合)

人への投資促進コース

期間限定の助成金制度で令和8年(2026年)まで行われ、2つの助成金制度があります。

①デジタル人材・高度人材の育成・柔軟な訓練形態の助成対象

  • 高度デジタル人材訓練(海外を含む大学院での訓練で、IT及びDX推進スキルのレベルアップ)
  • 情報技術分野認定実習併用職業訓練(IT分野未経験者の即戦力化を目的とした訓練)
  • 定額制訓練(労働者の多様な訓練の実施、選択が可能となったサブスクリプション型の研修サービス)

②労働者の自発的な能力開発の促進としての助成金制度

  • 長期教育訓練休暇等制度(働きながら受講するための長期休暇、短時間勤務制度を導入する事業主向け)
  • 自発的職業能力開発訓練(自発的労働者が訓練を受講した費用を負担する事業者向け)

事業展開等リスキリング支援コース

新規事業の立ち上げに必要な知識や技能の取得を目的とした訓練を実施する場合の助成コースです。

地方自治体が実施するリスキリング補助金・助成金もある

政府以外に都道府県など地方自治体が実施している補助金制度があります。例えば東京都では「DXリスキリング助成金」「事業内スキルアップ助成金」といった補助金が用意されていますし、他の地方自治体にもリスキリング補助金制度があります。制度を利用する際には補助金制度を確認したうえで、補助金・助成金の対象となっているかどうかチェックしましょう。