2. トラブル事例

Temuでは商品の品質や対応に関するさまざまなトラブルが報告されています。実際にどのような問題が起きているのか、具体的な事例を見ていきましょう。

2.1 商品品質に関するトラブル

商品品質に関する問題は、主にサプライチェーンと品質管理体制の不備に起因しています。中国のTemu販売業者からは「品質管理基準が曖昧」「検品体制が不十分」との声が上がっており、多くの販売者が品質に関する罰金を科されています。

また、配送方法にも課題があります。販売業者は「配送コストを抑えるため梱包を最小限に」という方針を採用しており、その結果として商品破損のトラブルが頻発しています。さらに、中国からの直送のため、返品や交換の手続きには時間がかかり、消費者の不満が高まっています。

商品の品質に問題があった場合、購入日から90日以内であれば返品・返金対応が可能ですが、海外発送のため手続きに時間がかかるのが現状です。販売業者側も「カスタマーサービスが不十分」との理由で罰金を科されるなど、アフターサービスの面でも課題が山積しています。

[出典]CNNインタラクティブ

2.2 偽造品や著作権侵害の報告

偽造品や著作権侵害に関する問題も深刻化しています。欧州では一部商品に偽造品や著作権違反があるとして規制の動きが出ており、Temuの親会社PDDが中国で運営する「拼多多」も同様の問題を抱えているのです。

日本でも、ユニクロがバッグのデザインを模倣されたとしてTemuを東京地方裁判所に提訴するなど、知的財産権の侵害が問題視されています。これを受けて各国の税関ではTemuからの輸入品に対する監視を強化しており、ブランド品の模倣品が差し止められるケースも増加しています。

模倣品は外観だけでなく、パッケージやタグまで緻密に複製されており、一般消費者が正規品と偽造品を見分けることは困難です。

また、商品説明では「正規品」と記載されているにもかかわらず、価格が正規品の数十分の一という異常な安さで販売されているケースも多く、消費者の誤認を招いています。

[出典]マネー現代