老眼対応ICLとは

老眼対応ICLは、従来の白内障手術で使用される多焦点レンズの原理を元に開発されました。光の分配を巧みに制御することで、遠距離や中間距離、近距離の視力をバランスよく改善することが可能です。老眼に悩む方々に、新たな視力改善の選択肢を提供しています。

老眼対応ICLのメリット

老眼対応ICLは、いくつかのメリットがあります。これらのメリットは、多くの患者にとって魅力的な選択肢となる可能性があります。

近視・遠視・乱視を同時に治療できる

老眼対応ICLの最大の特徴は、近視や遠視、乱視といった問題を同時に解決できる点です。従来は別々に対処せざるを得なかった視力の問題を、一つの手術で解決できます。

特に遠視と老眼がある方は、老眼対応のICL手術をすることで、読書や近距離作業から運転や遠方の景色の鑑賞まで、幅広いニーズに対応できるでしょう。

元に戻せる

老眼対応ICLのもう一つの大きな利点は、その可逆性にあります。従来のレーザー手術と異なり、レンズを取り出せば元の状態に戻すことが可能です。

万が一不具合があったり、新しい治療法を試したくなったりした際には、レンズを取り除くことで元の状態に戻せます。医療技術の進歩に応じて、より適切な治療を選択する余地を残しておける点がメリットです。

老眼対応ICLのデメリット

老眼対応ICLは多くのメリットがある一方で、考慮すべきいくつかの課題もあります。これらのデメリットを理解することは、治療法を選択するうえで重要です。

ハロー・グレアを感じやすい

老眼対応ICLの使用に伴う主なデメリットとして、ハロー・グレアの発生が挙げられます。ハローグレアは、光源の周りに輪っか状の光が見えたり、まぶしさを感じたりする現象です。

通常のICLでも感じることがありますが、老眼対応ICLでは、より顕著に表れやすいのが特徴です。多くの場合は時間の経過とともに症状は軽減しますが、脳が新しい視覚情報に適応するまでしばらく続く可能性があり、一部の患者さんでは永続的に残ることもあります。

費用が高い

老眼対応ICLの導入を検討する際に考慮すべき重要な要素として、治療費用があります。一般的に、老眼対応ICLの手術費用は、かなり高額になる傾向があります。

使用する特殊なレンズには高額の製造コストがかかりますが、公的な医療保険が適用されず、全額自己負担となるためです。ただし、長期的に見れば眼鏡やコンタクトレンズの継続的な購入・管理にかかる費用と比較して、経済的なメリットになる場合もあります。

使用している眼鏡やコンタクトの費用と比較しながら、手術を受けるか検討しましょう。

出典:ふくおか眼科クリニック

出典:Hit The Knee