「壁」は税金負担軽減のために知っておくべし

扶養内で働くことを希望するパートタイマーの方々にとって、年収に関する制限である「100万円の壁」や「103万円の壁」は理解しておかなくてはならない点です。これらの収入制限を超えると、税金や社会保険の面で不利になる場合があるため、収入の調整をした方が税金負担が抑えられる可能性があります。この記事では、「100万円の壁」と「103万円の壁」の違いについて解説します。

100万円の壁とは

「100万円の壁」とは、住民税が発生する境目の年収のことです。住民税は年収に応じて課税されるので、年収が100万円を超えると、基礎控除や給与所得控除を考慮しても住民税が発生する場合があります。住民税は自治体ごとに異なるため、具体的な金額は住んでいる地域によって異なります。

例えば、東京都に住んでいる30歳の場合、年収が100万円以内なら住民税は発生しませんが、101万円を超えると5,000円の住民税が発生します。

103万円の壁とは

「103万円の壁」は、配偶者控除に関連する年収制限です。配偶者控除とは、配偶者が一定の年収を超えない場合に、配偶者を扶養する納税者が受けられる税金の控除制度です。この壁を超えると、配偶者控除が適用されなくなります。配偶者控除の額は納税者の所得に応じて異なりますが、一般的には以下のように設定されています。

  • 一般の配偶者控除:最大38万円
  • 老人配偶者控除:配偶者が70歳以上の場合、最大48万円

年収が103万円を超えると、この配偶者控除が適用されなくなり、納税者の税負担が増えることになります。

100万円と103万円の壁の違い

「100万円の壁」と「103万円の壁」は、どちらも扶養内で働く際に重要なポイントですが、その意味や影響は異なります。

1. 意味の違い

100万円の壁:所得税や住民税の発生に関連する年収制限
103万円の壁:配偶者控除の適用に関連する年収制限

2. 影響の違い

100万円の壁:所得税や住民税の発生により、手取り収入が減少する可能性がある
103万円の壁:配偶者控除が適用されなくなり、扶養する配偶者の税負担が増加する

3. 計算方法の違い

100万円の壁:基礎控除や給与所得控除を考慮して、課税所得を計算する
103万円の壁:配偶者控除の適用要件として、配偶者の年収を基準に計算する

まとめ

扶養内で働く際には、「100万円の壁」と「103万円の壁」を意識してみましょう。これらの年収制限を超えると、所得税や住民税が発生したり、配偶者控除が適用されなくなったりするため、収入を調整した方が手取りが増える場合があります。自身の働き方や家族の状況に応じて、どの程度の収入が最適かを考え、計画的に働くことが大切です。税金や保険料の計算は間違えないように気を付けましょう。